初心者から始める苔盆栽の育て方について
盆栽を育てた経験はなくとも苔盆栽をはじめてみたいという方もいるのではないでしょうか。しかし、何を準備してどのように育てたらよいのか分からないという方もいる事でしょう。
そこで今回は苔盆栽について苔の特徴などを解説する他、苔盆栽を始めるに当たって用意するものや育てる際のポイントなども紹介します。
これから苔盆栽を趣味にしたいという方は参考にしてみて下さい。
苔盆栽の魅力について
形のバリエーションが豊富にある
苔は木や土の表面で多く見られる植物で、樹木の影など日陰がある場所を好んで自生しているのが特徴です。
苔盆栽は日光をほとんど必要としないため、屋内でも容易に育てられるのが魅力となっています。
また苔の一つ一つを良く見るとそれぞれ形が異なっており、バリエーションに富んでいる所も苔盆栽ならではの面白さと言えます。
蘚類や地衣類に属する苔は比較的育てやすい
盆栽向けの苔として挙げられる一つが蘚類です。
蘚類は他の苔と比べると水はけが良いと言われています。他の植物に合わせやすいという事もあり人気がある苔となっています。
蘚類としては、芝生のような美しい葉が特徴のタカネモジゴケや丸い葉が特徴的なギンゴケなどがあります。
苔盆栽を始める際に必要な物や育てるポイントなどを紹介
苔の用意について
育てる苔を決めたらはじめに取り掛かる作業は材料集めになります。
まずはメインである苔ですが、苔の入手方法は購入するか自分で集めてくるかという2択になります。
自生している苔は比較的育てやすいと言われているので、苔盆栽の経験がないという方は周囲に自生している苔があればそれを利用してみる方法もあります。
一方、市販されている苔の場合、見栄えが良く高い品質のものや様々な種類がセットになって販売されている事があります。
とくに育て方のアドバイスを専門家に確認したい方は、購入を検討する形が無難かと思います。
土と鉢
苔は湿気に強いように思えますが、水のやりすぎによって弱ってしまうことも多くあるため、土を選ぶ際は水はけのよい物を選ぶようにしましょう。
苔盆栽に使用する土は基本的に数種類用意する必要があります。
育てる人によって配合する土の種類は変わってきますが、赤玉土やケト土といった種類の土が用意できれば、大抵の苔は育てる事が可能です。
また苔盆栽に使用する鉢は管理にも影響してくるので、慎重に選ぶのが良いでしょう。
苔盆栽は通常よりも水分が蒸発しやすく定期的に水やりする必要があります。
鉢の選択を誤ると初心者の方は手入れが難しくなる事もあるので注意が必要です。
初心者に扱いやすい大きさは5センチ前後と言われていますが、身の回りに適当な大きさの器があれば、それを利用する方法もあります。
苔を上手く貼る方法
苔盆栽は凹凸のある自然に近い形にする事が多く、苔を貼り付けるにはケト土を用いるのが適していると言われています。
ケト土を使う場合は、はじめに水を加えて軽く練り、粘土の様な粘り気がある状態にしておきます。
次に用意した鉢に土を入れます。苔盆栽は多少こんもりしている程度が見栄えが良いので、鉢を満たすまで土を投入しても問題はないでしょう。
その後はその上に先に練っておいたケト土で覆います。
最後に苔を貼る作業ですが、ハサミなどを使って形を整えながら軽く抑えるような感じで土に置いていくのがコツです。
鉢の縁の所などはピンセットの先で軽く押してあげると上手く貼る事ができます。
苔盆栽を上手に育てるポイント
苔盆栽を上手く育てて長く楽しむには、水やりと置き場所が重要なポイントとなります。
苔が自然に生えているというイメージで、間違った苔の育て方をしてしまう方も少なくないようです。
水を過度に与えすぎてしまうとカビが生えたり、場合によっては枯れてしまったりすることに繋がるため注意が必要です。
少し乾燥している環境の方が苔にとっては良いので過度な水やりは控えた方が賢明と言えます。
一方、苔は直射日光が当たる場所も好まない植物なので、室内でも窓の周辺には置かないようにしましょう。
またトイレに置く場合は注意が必要です。
苔は電灯など人工的な光でも成長できる植物です。しかし、たまにしか明かりがつかず窓もない暗い場所では苔の健康という面ではあまり良くありません。
トイレなどに置いておきたいというのであれば、定期的に明るい所に移動してある程度置いておくようにした方が良いでしょう。
おわりに
苔盆栽は癒しの存在でもある!
苔盆栽は苔の貼り方や水やり、土や鉢の選び方など正しい知識を身に付ければ、初心者でも簡単に育てられると言えます。
部屋の中でも苔が成長する姿を手軽に楽しめるので、苔盆栽は現代の私たちにとって癒しとなってくれる存在となるでしょう。
苔の種類も豊富にあるので、好みの苔を見つけて苔盆栽に挑戦してみてはいかがでしょうか。